だるまちゃん誕生50年 香川県立図書館で「さとし絵本」展

「こどもの読書週間」(23日~5月12日)に合わせて、幅広い世代に愛され続けている絵本作家の加古里子(かこさとし)さんの作品を紹介する「かこさとし絵本の世界~だるまちゃん誕生50年~」が香川県立図書館(高松市林町)で開かれている。

赤い体に白い手足、りっぱなひげを持つだるまちゃんが、いろいろな友達と遊ぶ姿を描いた『だるまちゃん』シリーズ。第1作の『だるまちゃんとてんぐちゃん』が誕生して、今年でちょうど50年となる。

福井県出身の加古さんは東京大学を卒業後、会社勤めの傍ら、紙芝居などを作り、子供らに読み聞かせを行ってきた。その経験を生かして、昭和34年に絵本『だむのおじさんたち』を出版、その後『だるまちゃん』シリーズや『からすのパンやさん』などの人気作品を手がけてきた。90歳を超えた今も、絵本を作り続けているという。

会場には絵本約40点のほか、雑誌や大人向けの専門書なども展示。工学博士でもある知識を生かした科学絵本も多く、絵本作家とは別の顔が垣間見えて興味深い。

同館職員の廣瀬暁子さん(40)は「温もりある話が多く、良い子ばかりを描いていないのも、リアルで楽しいと思う」と作品の魅力について話した。

来場していた多田真代さん(30)、彩華さん(2)親子も熱心に見つめ、「子供がもう少し大きくなったら、読み聞かせたい」と話した。

6月4日まで。月曜休館。展示に関連する本は児童資料コーナーで貸し出している。問い合わせは同館(電)087・868・0567。